新古車(登録済未使用車)は、新車と中古車の中間的な存在として、多くの消費者に注目されています。価格面でのメリットや即納可能な点など、魅力的な特徴を持つ新古車ですが、その購入には特有のデメリットも存在します。本記事では、新古車の主なデメリットを詳しく解説し、購入を検討する際の注意点をお伝えします。
希望の仕様やオプションの選択が制限される
新古車の最大のデメリットの一つは、希望通りの仕様やオプションを選択することが難しい点です。
車種や色の制限
新古車は既に生産・登録済みの車両であるため、ボディカラーや内装、メーカーオプションなどを自由に選択することができません。新車購入時のように「この色で、このメーカーオプションで」と自分好みのオーダーをすることは不可能です。
在庫状況による制限
新古車は在庫から購入するものなので、希望の車種や仕様が在庫切れの場合は次の入庫まで待つ必要があります2。人気の高い新古車はすぐに売り切れてしまう可能性も高く、必ずしも希望通りの車に乗れるとは限りません。
メーカーオプションの追加不可
新古車は既に登録されているため、メーカーオプションを追加することはできません。新車購入時のように、自分好みのオプションを追加して納車時からこだわりのデザインに仕上げることはできないのです。
車検までの期間が短縮される
新古車を購入する際、車検までの期間が新車よりも短くなることも重要なデメリットの一つです。
初回車検までの期間短縮
新古車は既に登録されているため、初回車検までの期間が新車購入時よりも短くなります。例えば、登録から半年経過した新古車を購入した場合、初回車検は2年半後となります。これにより、予期せぬタイミングでの車検費用が発生する可能性があります。
車検費用の早期発生
車検期間の短縮は、車検費用の早期発生にもつながります。新車購入時には3年後に発生する初回車検費用が、新古車の場合はより早いタイミングで必要となるため、経済的な計画を立てる際に注意が必要です。
再販時の査定価格が低くなる可能性
新古車購入のデメリットとして、将来の売却時に査定価格が低くなる可能性も考慮する必要があります。
ワンオーナー車としての扱いの喪失
新古車は既に一度登録されているため、次回売却時には「ワンオーナー車」として扱われません。ワンオーナー車は中古車市場で高く評価される傾向にあるため、新古車はこの利点を失うことになります。
査定価格への影響
ワンオーナー車でないことは、再販時の査定価格に影響を与える可能性があります。新車購入車両と比較して、査定価格が低く評価される可能性があるのです。
メーカー保証の継承手続きが必要
新古車購入時には、メーカー保証の継承に関する注意点があります。
保証継承の手続き
新古車を購入する際、メーカー保証を継承するためには、所定の手続きや点検が必要となります。これらを怠ると、保証が受けられなくなるリスクがあります。
保証期間の短縮
新古車の場合、メーカー保証が継承されても、その期間は新車購入時よりも短くなります。例えば、登録から1年経過した新古車を購入した場合、残りの保証期間は2年間となります。
保証内容の確認の重要性
購入時には、保証継承の有無や手続き方法、残存期間などを詳細に確認することが重要です。場合によっては、メーカー保証が継承されていないこともあるため、注意が必要です。
補助金や減税制度の対象外となる場合がある
新古車購入時には、各種優遇制度の適用に関する制限があることも知っておく必要があります。
エコカー減税や補助金の対象外
新古車は中古車扱いとなるため、新車購入時に適用されるエコカー減税や補助金の対象外となることがあります。特に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)などでは、新車購入時に受けられる補助金が適用されないケースが多いです。
自動車取得税の扱い
自動車取得税に関しては、取得価格が50万円以下であれば非課税となる場合があります4。ただし、これは新古車特有の優遇ではなく、中古車全般に適用される規則です。
在庫状況に左右されるため、購入のタイミングが限定的
新古車の購入には、タイミングの制約があることも重要なポイントです。
限られた入荷タイミング
新古車は市場に出回るタイミングが限られており、特に決算期後の4月や10月に多く見られます。そのため、希望する車種や仕様の新古車を見つけるには、タイミングや運が必要となります。
即決の必要性
新古車は在庫が限られているため、良い物件が見つかった際には迅速な決断が求められます。しかし、急いで決めることで、後々後悔する可能性もあるため、事前に希望条件や予算を明確にしておくことが重要です。
人気車種の入手困難
新古車は中古車よりも人気が高いため、入庫してもすぐに売り切れてしまう可能性があります。特に人気の高い車種や仕様は、見つけるのが困難な場合があります。
長期在庫による劣化の可能性
新古車は未使用であっても、保管状態によっては品質に影響が出る可能性があります。
外装の劣化
新古車は長期間屋外で保管されていた場合、ボディのくすみや小さな傷が生じている可能性があります1。展示場に置きっぱなしの車や、雪下ろし時の小さなキズなどは避けられないこともあります。
バッテリーの劣化
長期間使用されていない場合、バッテリーの劣化が進んでいる可能性があります。これは、走行距離が少ないにもかかわらず、バッテリー交換が必要になるリスクを意味します。
点検の重要性
購入前には、車両の状態を十分に確認し、必要に応じて整備や点検を依頼することが重要です。特に、長期在庫車両の場合は、各部の点検や調整が必要になる可能性があります。
総額が新車よりも高くなる可能性
新古車は一見すると新車よりも安く見えますが、実際の総額では新車を上回る場合があります。
値引きの少なさ
新古車の車両価格は、新車よりも10万円ほど安い場合がありますが、新車ではディーラーの値引きやオプションキャンペーンなどが適用されて10万円以上お得になることがあります1。新古車では値引きが多くないため、新車よりも総額が高くなる場合があるので注意が必要です。
諸費用の確認
車両本体価格だけでなく、諸費用も含めた総額を比較することが重要です。中古車販売店によっては、諸経費が高くなる場合もあるため、複数の販売店で見積もりを取ることをおすすめします。
まとめ
新古車には価格や納期の面でのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- 希望の仕様やオプションの選択が制限される
- 車検までの期間が短縮される
- 再販時の査定価格が低くなる可能性
- メーカー保証の継承手続きが必要
- 補助金や減税制度の対象外となる場合がある
- 在庫状況に左右されるため、購入のタイミングが限定的
- 長期在庫による劣化の可能性
- 総額が新車よりも高くなる可能性
新古車購入を検討する際には、これらの点を十分に考慮し、自分のニーズやライフスタイルに合った選択をすることが重要です。また、購入前には必ず実車を確認し、状態や価格の妥当性を慎重に判断することをおすすめします。
新古車は、適切に選択すれば新車に近い品質の車両をお得に手に入れられる可能性がある一方で、上記のようなデメリットも存在します。これらのメリットとデメリットを十分に理解した上で、自身の状況に最適な選択をすることが、満足度の高い車選びにつながるでしょう。
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